岸壁を激しく叩き付ける波、高く舞い上がる白いしぶき、突風のごとく吹き抜ける海風。それは冬の能登に誰もが抱くイメージであり、リアルな能登の描写でもある。そう、冬の能登は厳しい自然と闘っている。反面、そこに出現する風景は、畏怖する心と同時に、美しさに魅せられた歓喜の気持ちを呼び覚ます。間垣に囲われた漁村集落がノスタルジックな世界を描き、屋根に降り積もる雪は寺社建築に新たな風情を演出する。海にそそがれるはずの滝の流れは空へと向きを変え、波の花は強風にあおられて雪景色かと見まがう世界を創り出す。そのどれもが能登であり、冬にだけ見ることのできるオリジナルな風景だ。
【1】間垣(まがき)の里 大沢(おおさわ)・上大沢(かみおおさわ) |
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ここ大沢では、竹で作った垣根を家の周囲にめぐらせて、吹きつける強風から家屋を守る。岬の合間に作られた小さな漁村は美しいの一言。
ただし厳寒の季節は、道中、凍った路面と突風のため細心の注意が必要。
※輪島から大沢・上大沢までは断崖ギリギリを走るルート。1〜2月は強風と雪が吹き付けるため運転には十分な注意が必要です。 |
【2】輪島朝市 |
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冬の輪島朝市は、ズワイガニが所狭しと並べられ、通りは真っ赤に彩られる。たくさんの魅力的な海の幸が旬を迎える冬こそ、輪島朝市へ行きたい季節だ。
休業日 |
第2、第4水曜、1月1日〜3日 |
問い合わせ先 |
輪島朝市組合 0768-22-7653 |
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【3】垂水(たるみ)の滝 |
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強風にあおられて吹きあがる滝が見られるのが冬の季節。海の波はとても激しく見応え十分で、荒波の見学スポットとも呼べる場所。また、海岸線に海中のプランクトンが綿のように舞い上がる「波の花」は、実に幻想的な冬景色と言える。
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【4】妙成寺(みょうじょうじ) |
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10棟の建造物が国指定重要文化財とされる妙成寺。冬の澄んだ空気が厳かな気配を演出し、その建築美をさらに引き立てる。庭園から眺める五重塔は要チェックだ。
住所 |
羽咋市滝谷町ヨー1 |
参拝時間 |
8:00〜17:00(冬季16:30まで) |
入館料 |
大人500円、小中学生300円 |
休館日 |
なし |
TEL |
0767-27-1226 |
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【5】外海に面する海岸(珠洲(すず)〜輪島〜羽咋(はくい)) |
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日本海が不規則にうねり、人の背を超える波しぶきが轟音とともに岩に砕けて舞い上がる。そんな日本海に会えるのが、外海に面した外浦の海岸線。荒波を見るなら、得に国道249号線が海沿いを走る輪島市名舟付近から珠洲市ゴジラ岩付近までが良い。また、垂水の滝横の珠洲市真浦海岸や輪島市街から近い鴨ヶ浦は、海中のプランクトンが白い泡となって空中に舞い上がる「波の花」が見られるスポット。ただし最近の異常気象の影響で、冬でも空が晴れ、波が穏やかな日が増えているので要注意。 |
【6】福浦港(ふくらみなと) |
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能登半島をグルッと回ると、実に数多くの味わい深い小さな漁港と出会うことができる。能登での暮らしが胸に響く、ノスタルジックな風景だ。中でもその昔、渤海との国際貿易で隆盛を極めた福浦港は当時の栄華の面影を残しつつ、今はひっそりと佇んでいる。冬の季節は黒瓦の屋根と海と雪がモノトーンの世界を描き出す。そのほか心惹かれる漁村の景色としてオススメしたいのが富来(とぎ)漁港風無(かざなし)地区。レトロな港と丘の斜面に建てられた家並みと細い路地が独特の風情を醸している。 |
【7】白米(しらよね)千枚田 |
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四季折々にその表情を変えるのが白米千枚田。青い海を背景に雪を残した幾何学模様が美しい。ポケットパークにクルマを停めて、田んぼの間を散歩することもできる。
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【8】大本山總持寺祖院(だいほんざんそうじじそいん) |
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雪に彩られた庭を囲む大きな回廊を、静謐な空気に包まれながらゆっくりと歩く。奥能登の旅の途中に、荘厳な空気感を味わう絶妙なアクセントとして欠かせない。
営業時間 |
8:00〜17:00 |
料金 |
大人400円、高校生300円、中学生200円、小学生150円 |
休館日 |
なし |
TEL |
0768-42-0005 |
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春は能登半島一円に花を咲かせ、のどかで美しい山里の風景を描きだし、海を目映い色へと染めていく。山里の田んぼに注がれた水は、日中、新緑の木々を映し、夜は一面を輝く星で装飾する。美しい幾何学模様で象られた棚田からは、作り手たちの強い愛情がはっきりと感じられる。海は降り注ぐ太陽の光をキラキラと反射させ、優しさを取り戻す。午前なら内海、午後なら外海。逆光に照らされて輝く海景は能登の春ドライブに欠かせないアイテムだ。時折、クルマを降りて野鳥の鳴き声を間近で聴いたり、心地いい潮風を浴びながら散歩もしたい。半島の春を思う存分感じられる場所を求めて、爽快ドライブを楽しもう。
【9】金蔵地区(かなくらちく) |
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山並みに囲まれた田園地帯にちりばめられた寺院群。中世のニッポンを感じさせる風景を湛える金蔵地区。田んぼに水が満たされた春は、ひときわ美しさが際立つ。時間があれば、お寺のカフェへも立ち寄りたい。 |
【10】千里浜なぎさドライブウェイ |
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一度はクルマを走らせたい定番スポット。できれば窓を開けて、潮風を感じながら。初夏に近づくと浜茶屋もオープンとなり、独特の風情の中で、イカやサザエなどが味わえる。
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【11】赤神(あかがみ)付近 |
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黒島から赤神にかけて続く道は海に近い平地で、高台から見下ろす景色とはひと味違った外海ドライブを体感できる。春の海が気持ちいいドライブスポットだ。 |
【12】遠島山公園(とおしまやまこうえん) |
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岬一帯が公園となり、周遊できる遊歩道からはさまざまな風景が満喫できる。桜のスポットとしても有名で、春を堪能するには絶好のロケーション。
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