ブックタイトルぶらり能登2017

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概要

のと星山空港から始まる能登人と出会う旅をご案内します。

と料理を口に運びます。我々も、希林さんの豊富な話題と軽妙な語り口にすっかり順応して、地酒熱燗もピッチが速い。間もなく坂本新一郎さんと息子さんの侘わび助すけ君も顔を出し、快い深秋の気配にすっかり馴染んでいきました。 翌朝は新米と岩海苔に梅干し、笹ガレイとナメコ味噌汁、だし巻きの朝あさ餉げ。そしていよいよ最終日の能登人訪問として、陶芸家の渡辺キャロラインさん宅に向かいました。珠洲に移り住んで29年 キャロラインさん(51)は、コロンビア大学4年の時に渡辺幸ゆき治はるさんと知り合います。大阪の劇団にいた幸治さんは、ニューヨークに渡り、数年後に陶芸を始めました。ある作品展会場で二人が出会ったのは1986年でした。その後、幸治さんは日本に戻り、珠洲焼に惹かれて珠洲に住みます。大学を卒業したキャロラインさんは、87年に珠洲を訪ね、翌88年に幸治さんと結婚。そして93年に長男の飛ひ生ゆう君が誕生します。 ところが、幸治さんは98年に、食道ガンで46歳の短い生涯を終えます。キャロラインさんは、飛生君とアメリカへは帰国せず、珠洲に残ることを、迷わず決断。友人たちに手伝ってもらいながら、納屋を改修して現在の住いを完成。床も壁も、コツコツと手作りしたそうです。 その後、飛生君は小学校卒業後にアメリカへ留学。キャロラインさんは今、幸治さんの築いた二子窯で作陶活動を続けています。 希林さんは、キャロラインさんと仲間たちが用意してくれた昼食34湯宿さか本能登の自然をありのまま楽しむ湯宿。古くから湯治場として近在に親しまれた地で、当主の心あたたまる料理と地酒が堪能できる。珠洲市上戸町寺社15-47 ?0768-82-0584http://www.asahi-net.or.jp/~na9s-skmt/【map P69 C-2】渡辺キャロライン  二子窯主宰、英会話講師。1965年アメリカ生まれ。コロンビア大学で日本文学専攻。17歳の時に父の仕事で函館に1年間暮らし、大学3年の時には国際キリスト教大学に1年間留学。1988年に陶芸家渡辺幸治さんと結婚し珠洲市に住む。幸治さん亡きあと、二子窯を継承し作陶活動。珠洲市若山町二子在住。