ブックタイトルぶらり能登2017

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概要

のと星山空港から始まる能登人と出会う旅をご案内します。

思い出せないのよ、これが」と希林さん。その時に輪島塗の黒の三段重を買って帰り、今でも使っておられるそうです。 小さい頃から役者をめざしていたわけでもないが、文学座の研究所に入り、やがて退団して映画やテレビドラマや舞台で本格的な女優への道を歩み出した希林さん。さまざまな役づくりの中で、常に新しい自分と出会い、さらにもっと成長した自分に出会うために次を目指してきたという。 「私ね、今、ものの冥利とか人の冥利とかが、ちょっと気になっているのよ。自分では、しまう人生に入っているわけですから、どこで役にたっていくかとかね」。それで、飛行機の窓から能登半島が見えはじめたとき、緑一面の光景にものすごく安らぎを感じたという。 希林さんは、地酒をグビリと一口。そして、「まだ能登はほんの入口しか見ていませんが、いい海があり、いい山があり、いい人たちがすぐそこにいるんですよね」と私たちを見まわす。思わず大きくうなずくと、「ゆったりと人知を超えた恵みというか、ありがたいことがすごく多そうですよ。能登に生きるみんなが大切にしてきた、土地の冥利だと思いますね」と、楽しそうに食膳へ箸を運びます。 すっかり心地よい時間を希林さんからいただき、明日の旅に備えて今夜の夢は広がりそうです。十と七な波みさんの陶房へ 翌朝、能登町柳田の山中にある中十七波さん(64)のアトリエに向かう。シイタケ栽培小屋を改造した建物とかで、「陶とう房ぼう眠みん兎と」の陶看板が掛けられ、中はとても広々。室内のいたるところに少しメルヘンチックな大小作品が置かれ、十七波さんがウキウキと案内します。 希林さんが、「陶器の表札などもつくられるのね」と壁面を見まわしながら、十七波さんがすすめる椅子に腰かけます。「表札は、注文される方の建物やお好きな31 いろり庵 藤六能登の山菜や、素朴な郷土料理が楽しめる山里の宿。器に輪島の漆芸作家角偉三郎の椀などを使い、囲炉裏端の風趣も旅情を深める。輪島市町野町広江1-33 ?? 0768-32-1006【map P69 A-2】【P107】